エストニアでは、新型コロナの感染者が増えていますが、これには少し説明が必要です。なぜなら、9月11日から、都市部を中心とした感染者が増えているであろう地域をターゲットとして、タルトゥ大学が有病率調査を実施し、ランダム検査が増えているからです。
政府の公式統計データを見ても、PCR検査の実施数の増加と共に、感染者が増えていることがわかりますが、陽性率はほとんど変わっていません。現在、コロナウイルスは特に若い人たちに広がっており、幸いなことに、重症化する人は少なく、死者は増えていません。 もう一つは、8月に発表されたSARS-COV-2抗体の血清疫学研究の結果です。この研究結果では、公式統計よりも、有病率はタリンで10倍、サーレマー島で3.5倍高く、抗体陽性または血清陽性の人の80%にCOVID-19の症状がないことが示されました。つまり、かなり多くの人が、ほとんど症状が無いまま、本人も気が付かないうちに新型コロナに感染していたということです。 最近の増えている感染者は、外国からの入国者によるケースが多いのですが、政府は入国制限を強化することはせず、逆にフィンランドやバルト三国間の入国制限の基準を緩和する措置を決めました。また、集団感染の発生場所となっているバーの営業についても、アルコール提供の時間制限(深夜0時から朝10時まで禁止)を9月25日から開始するだけにとどめています。 こうした政府の対応を見ると、これまでの調査研究結果を踏まえて、「エストニアにおける集団免疫の可能性」を政府が考え始めているのではないかと思います。社会経済活動の規制は最小限としながら、リスクの高いグループの保護や感染者の多い地域のモニタリングを行い、医療機関の受け入れ態勢を確保しておくことで、増えていく感染者を許容範囲内にとどめておくということです。 今後も、エストニア政府の発表と、大学等による調査研究の結果に注目していきます。
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