エストニアの情報機関「Estonian Foreign Intelligence Service」が「エストニアにおける国際安全保障環境2022」を公開しました。英語版(エストニア語版とほぼ同じ内容)「International Security and Estonia 2022」もあります。
全体構成は、次の通りです。 第1章:ロシアの軍事問題 第2章:ロシアの外交政策 第3章:ロシアの国内政策 第4章:中国 第5章:テロリズムと不法移民 一見してわかるように、ロシアに関する記述が多いですが、中国の脅威についても触れており、中国とロシアの関係(決して蜜月ではないが、軍事研究などの特定分野や状況に応じて協力連携する)も解説しています。また、増加傾向にある不法移民についても独立した章を設置しています。エストニアには、常に「ロシアが旧ソ連のような国に戻るのではないか」という危機感があります。他国への脅威は、ロシアの外交政策の主要なツールになっています。 2022年2月22日現在、ロシアによるウクライナへの侵攻の可能性が問題になっていますが、NATO加盟国であるエストニアから見たロシアの分析を知ることで、現在のウクライナの状況を理解しやすくなると思います。特にロシアのサイバーインテリジェンスやハイブリッド攻撃への理解は欠かせません。ウクライナに対するインテリジェンスセンターは2014年から組織されています。エストニアでも、毎年のようにロシアのスパイが逮捕されています。 日本や欧米のメディアによる情報だけを見ていると、ロシアが国際的に孤立しているように思えるかもしれませんが、実際には独立国家共同体(CIS)以外にも、インド、ベトナム、パキスタン、スリランカなど、ロシアとベラルーシの合同演習に参加(オブザーバーを含む)する国は少なくありません。日本のメディアではあまり触れていませんが、ルーマニアとウクライナに隣接するモルドバ共和国も重要なプレーヤーとなります。ガス供給とエネルギー安全保障には、多くの国が関係しています。 欧米によるロシアへの経済制裁が進むほどに、ウクライナを初めとしたロシア周辺国の脅威が拡大するとも言えるので、関係国による今後の落としどころを見極める必要があるでしょう。 画像出典:International Security and Estonia 2022
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3月 2024
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