写真(エストニア政府通信ユニット) 「eサービスには、ユーザーを識別するための信頼できる安全な方法が必要です。エストニアは、20年間にわたり市民の日常生活を簡素化するためにデジタル社会とeサービスを構築しました。信頼できるデジタルアイデンティティが、エストニアのイノベーションと起業家精神を促進しました」とラタス首相は述べています。 また、公共部門がイノベーションと新しい技術の導入を刺激するための模範を示すことができるとも述べています。エストニアのICT政策の基本方針では、政府・公共部門の役割を重視しています。デジタル国家を実現する際には、民間と連携しながらも、国が率先して自ら模範を示すことで、民間のイノベーションを促進してきました。 写真(エストニア政府通信ユニット)
ラタス首相は、次のように語ります。 「政府が、イノベーションを促進する起業家の環境を確保しなければならない。自動運転であろうと人工知能であろうと、法律は急速な技術開発に遅れないようにしなければならない」と。 この指摘は、非常に重要です。エストニアでは、1990年代から法律の近代化を進めて、現在も日進月歩で法律を改正しています。エストニアの法制度は、人々の幸福を最大化するために、コンピュータがその能力を発揮しやすいように設計されています。オンラインのデータ処理と自動化を前提とした住民登録法(Population Register Act)や公共情報法(Public Information Act)は、その代表例です。 さらに、ラタス首相からの「より効果的な欧州の単一デジタル市場では、サイバー脅威との強固な戦い、そしてもちろん、国境を越えたデータの自由な移動をサポートする強力なデジタルIDが必要」という指摘も重要です。 日本でも、2019年1月31日に、トラストサービス検討ワーキンググループ(第1回)が開催されて、「人の正当性を確認できる仕組み、組織の正当性を確認できる仕組み、モノの正当性を確認できる仕組み、データの存在証明・非改ざん証明の仕組み、データの完全性と送受信の正当性の確認を組み合わせた仕組み」などの検討が始まりました。また、個人情報保護委員会等の尽力により、日本とEU間の相互の円滑な個人データ移転を図る枠組みが、2019年1月23日に発効したところです。 今後は、デジタルアイデンティティを始めとしたトラストサービスについても、日本とEU間の相互運用を可能にすることで、日EU間の円滑な個人データ移転における安全性・信頼性・実効性を確立していくことが大切と考えます。その際には、エストニアにおける「法律の近代化」の取組みを参考にしてもらえればと思います。 コメントの受け付けは終了しました。
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3月 2024
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一般社団法人 日本・エストニアEUデジタルソサエティ推進協議会
Japan & Estonia EU Association for Digital Society ( 略称 JEEADiS : ジェアディス)
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