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第1回「インターネット投票の勉強会」を開催しました

4/9/2019

 
ご案内していた通り、第1回「インターネット投票の勉強会」を開催しました。当日の配布資料が欲しいジェアディス会員の方は、事務局までお知らせください。

以下、エストニアのインターネット投票について、簡単にご紹介します。
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インターネット投票ができるのは、国政選挙、地方選挙、欧州議会選挙、国民投票の4つです。国民投票は、最後に実施されたのがインターネット投票が始まる前の2003年だったので、ネット投票の経験はありません。国政選挙を定める「議会選挙法」に「電子投票」の章があり、この規定が他の選挙法でも準用されています。
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直近で行われたインターネット投票ができる選挙は、2019年の欧州議会選挙です。インターネット投票は「期日前投票」の一つという位置づけで、​投票日10日前からの7日間、24時間対応で投票することができます。投票日に紙の投票があった場合は、インターネット投票は無効となり、紙の投票が優先されます。
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インターネット投票の考え方は、既存の紙投票で行われている「居住地外の投票所での事前投票」や「在外投票」で採用されている「2枚封筒方式」と同じです。まず、外部封筒で「1人1票」であることを確認したうえで、匿名状態の内部封筒だけを集めてシャフルし、最後に内部封筒を開封して、中にある投票用紙を確認します。インターネット投票は、この「2枚封筒方式」をデジタル化したものです。

日本と大きく異なるのは、投票所における紙投票でも、厳格な本人確認が行われていることです。投票するためには身分証明書(国民IDカード等)の提示が必要で、投票用紙を受取る際には、投票者名簿への署名が求められます。エストニアは、「なりすまし」が非常に困難な国なのです。
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エストニアでは、パイロットプロジェクトとして、2005年10月の地方議会議員選挙で初めてインターネット投票を実施しました。2007年には、世界初となる国政選挙でのインターネット投票を実施し、2019年9月現在までに11回の実績があります。

2019年5月の欧州議会選挙では、投票者の46,7%がインターネット投票を利用しました。2019年3月の国政選挙では、期日前投票の71,4%がインターネット投票で、海外143か国在住のエストニア市民がインターネット投票を利用しました。

日本では、「ネット投票が実現すれば、若者を中心に投票率が向上するのではないか」といった議論がありますが、エストニアにおいては投票率向上への貢献は確認されていません。しかし、実際にネット投票を体験すると、非常に簡単で便利なため、次回も(ネット投票で)投票してくれる率が高くなる傾向が見られます。
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インターネット投票が始まる直前の2005年9月に、最高裁判所でインターネット投票の合憲性が争われました。これは、「インターネット投票だけ何度も再投票できる」ということが、憲法で定める選挙権の保障(統一性)を侵害するのではないかという主張に対してのものです。

​最高裁は「電子投票システムにおいても選挙の自由・平等の権利は守られている」と判断しましたが、その後のネット投票の統計データにより、「インターネット投票が特定の政党に有利に働く」といった傾向は見られず、平等の権利や統一性の原則を侵害していないことが確認されました。
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インターネット投票においても選挙権を保障するためには、技術的な措置に加えて、制度的な工夫が必要です。エストニアでは、インターネット投票を「事前投票」と位置付けた上で、再投票を可能にし、かつ紙投票の優位性を保証することで、自由投票や秘密投票を実現しています。
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インターネット投票の流れ(国民IDカード利用)は、次の通りです。
1 投票者はIDカードをカードリーダに挿入する
2 選挙時に開設されるウェブサイトを開く
3 電子投票の専用アプリケーションをダウンロードして実行する
4 認証用のPINコードを入力する(投票者の特定)
5 選挙区の候補者リストが表示される
6 投票する候補者を選択をする
7 署名用のPINコードを入力して、自身の選択を確認する(投票の意思表示)
8 投票後は、検証アプリで投票内容(到達)を確認できる

国民IDカードまたはモバイルIDを使って、電子認証・署名を行います。今のところ、スマートフォンやタブレットからは投票できません。投票受付期間内であれば、何度でも再投票できます。紙による投票があった場合、インターネット投票は無効になります。投票所での投票時間30分に対して、オンラインの平均投票時間は約3分となっています。
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エストニアには、オンライン処理と自動データ処理を前提とした、全国住民登録データベース(Estonian population register)があり、国家運営の基礎となる最も重要な唯一無二の公的データベースとして機能しています。日本の戸籍と住民基本台帳を統合し、デジタル処理を前提に再構築したようなイメージです。

「投票者リスト」は、この住民登録データベースからデータ提供を受けて作成されます。日本の「選挙人名簿」のように各市区町村の選挙管理委員会が管理するものではなく、国が責任を持って一つの投票者リストを作成・管理するので、各自治体の負担は最小限となります。

エストニアでは、公共情報法といった法令により、国や自治体で共通利用するような公的データは、用途に応じて、すべて国が単一のデータベースを作成・管理します。自治体は業務に応じた必要なデータを参照するために、国の機関が管理する様々なデータベースにアクセスする(実際にアクセスするのは、ほとんどの場合、人ではなくコンピュータです)ことになっています。「国がデータ管理者」であり、「自治体はデータ利用者」という位置づけです。こうした仕組みにより、自治体は、自らの地域の問題解決に集中することができるのです。
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