2023年4月22日開催のジェアディス研究会では、駒澤大学の逢坂先生をお招きして、エストニアのインターネット投票について学びました。逢坂先生がエストニアを紹介してくださった記事は、朝日新聞のRONZAで公開されています。エストニアの厳しい歴史にも触れている、とても良い内容なので、ぜひご覧ください。 逢坂 巌のダブリン通信~欧州から見る日本政治 ネット投票先進国エストニアの原動力は「ソ連時代の否定」だった 時代の転換とIT化が重なり、徴税などのデジタル化も進む https://webronza.asahi.com/politics/articles/2023041600002.html 2023年のエストニアの国政選挙では、全体的に投票率が高めでした。2023年から、少し集計方法が変わり分母が増えているため、2021年以前の投票率と比較する際は、注意が必要です。発表された投票率は63.5%ですが、集計方法の変化を考慮すると過去最高の投票率だったようです。 年代別の投票率を見ると、若い世代の投票率は低いですが、日本よりは高いと言えるでしょう。傾向としては、 ・若い世代ほど投票率が低いが、ネット投票の利用率は6割前後と高い ・55歳以上の世代は、紙の投票を選択する割合が増える 2021年の地方選挙で16歳だった人は、初めての選挙なのでイベント的に投票所へ行くことも多いですが、今回の選挙で18歳となり2回目の投票なので、インターネット投票を利用してみたというケースも考えられます。これまでの傾向として、若い人たちは2回目以降の選挙でインターネット投票を利用して、一度ネット投票の利便性を体験してしまうと、次回以降の選挙でもネット投票を利用するようになると考えることができます。
また、投票率は、女性(65.6%)の方が男性(61.0%)よりも高くなっていますが、女性(49.2%)よりも男性(53.1%)の方がネット投票の利用率がやや高い傾向があります。 エストニアのインターネット投票は、現在パソコンが無いとできませんが、早ければ2024年の欧州議会選挙からモバイル端末(スマホやタブレット)だけで完結できるようになります。スマホだけで投票できるようになれば、若い世代のネット投票利用率はさらに高くなるでしょう。 これまで、エストニアではネット投票が投票率の向上に貢献したことは確認されていませんが、モバイルインターネット投票の実現により、特に若い世代の投票率に変化が表れるのか注目したいと思います。
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6月 2024
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一般社団法人 日本・エストニアEUデジタルソサエティ推進協議会
Japan & Estonia EU Association for Digital Society ( 略称 JEEADiS : ジェアディス)
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