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エストニアの看護サービスとデータ共有について

25/3/2025

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IISEシンポジウム「人口減少・多死社会に対応したデジタルヘルス」に参加して、イベントサービスとして提供されるエストニアの死亡手続きについてお話ししました。関連して、エストニアにおける看護サービスについて少し整理しておきます。

エストニアの看護師や助産師は、医師や歯科医師と共に医療従事者(医療専門家)として法律上の地位が確立されており、健康情報システム(全国医療データの中央データベース)へのアクセス権限も医師と同等に認められています。

看護師や助産師ができることは日本よりも多く、例えば助産師は特定の医薬品について処方箋を書くことができたり、救急医療看護師は救急車サービス(看護チーム)のリーダーとして遠隔指示に従って必要な救急措置を行ったりします。

エストニアでは自宅で終末を過ごす高齢者が多く、そうした自宅での看取りを支援する医療サービスとして訪問看護(在宅看護)サービスがあります。訪問看護が必要かどうかは、家庭医(かかりつけ医)や専門医が評価を行い決定されます。訪問看護の提供が決定されると、家庭医と家庭看護師(かかりつけ看護師)との協力により看護計画が作成されます。サービスの提供は、訪問看護師(少なくとも 3 年の勤務経験があり、患者の自宅で看護サービスを提供するための特別な訓練を受けた看護師)が行います。

健康情報システムには、全国の医療機関や医師・看護師から「看護サービス提供に関する紹介状」や「提供された看護サービスに関するサマリー(概要)」などのデータが送信されます(義務)。つまり、高齢者に対する訪問看護等を含めた看護サービスの概要については、全国レベルで医療従事者が共有できるということです。

より詳細な看護サービスの内容については看護記録を確認する必要がありますが、看護記録については健康情報システムへデータ送信されないので、医師や看護師等が患者の過去の看護記録を知りたい場合は、各看護サービス提供事業者(個人または法人)に照会する必要があります。

看護サービスについては、文書化やサービス提供方法等について、全て標準化されています。医療や看護のデータの相互運用性が確立しているため、ベンダーやシステムが異なっても、データが利用できなくなることはありません。

看護サービスのサマリーや看護記録については、電子文書(電子的な医療記録)として保存することが法令で義務付けられており、法令で定められたデータ構成と形式・方法により作成・保存・送信されます。看護記録には、記録を作成した看護師がデジタル署名しますが、作成者が特定・追跡できる場合は、医療機関等のデジタルスタンプ(eシール)に代えることができます。看護サービスの提供は、国が提供する種類別の看護ガイドラインに従って行います。
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利用者中心で考える、エストニアにおける自治体情報システムの統合(幼稚園の入園申し込み)

3/3/2025

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エストニアでは、各市町村が利用する情報システムについて、国が無理に中央で統合することはしないで、利用者中心の視点で事前の調査・分析を行うことで、問題の背景を明らかにしています。

例えば、法律で基礎自治体の責任とされる幼児教育サービスの提供については、調査の結果、親にとっての悩みは、幼稚園入園の申請自体の技術的な問題ではなく、申請書を提出した後、子どもがいつどこに入園できるのか、いつ仕事に戻れるのかなどの情報が、大規模な(人口密度が高い)自治体で不足していることが判明しました。

また、自治体の幼稚園の受け入れ能力には大きなばらつきがあり、サービス提供側にボトルネックがあり、地域によっても異なることもわかりました。例えば、即日入園できる自治体もあれば、将来的に入園できる日がまったく予測できず、いつ入園できるか分からない自治体もあります。理由は様々ですが、主な問題は「過密な地方自治体における幼稚園の定員不足」でした。

技術的な分析により、「自治体の約半数には、住民が電子的に幼稚園の入園を申し込める情報システムがない」ことも判明しましたが、これはあまり問題ではありません。上述したように、親にとっての悩みは「幼稚園入園の申請自体の技術的な問題ではなかった」からです。

また、「電子的に幼稚園の入園を申し込める情報システムがない自治体」も、入園申し込みの申請書を、RTF(ワード等で記入可能)やPDFファイルをウェブ提供して、デジタル署名によるメール提出を受付けています。申請書自体もA4一枚のシンプルな様式で、子供の両親の個人番号や氏名・住所(住民登録または実際の)を記入して、希望事項などを補足するだけなので、申請自体はほとんど負担にならないのです。

これらの調査結果から、地方自治体は自治権を持っており、市町村ごとに幼稚園の入園に関するルールが異なっているため、単一の中央サービスポータルでオンライン申請等のサービスを提供することは困難で、その必要性も低いとされました。それよりも、「将来の親に適切なタイミングで情報を提供することが重要である」と考えて、「プッシュ型で個別化された必要な情報を提供する」ようにすることが、今後のイベントサービスや積極的サービスの課題であるとされました。

「利用者中心」という言葉は、エストニアと同様に日本の電子政府でも使われてきましたが、それが意味することの理解と実践は、調査や分析といった地道な作業の積み重ねにより実現するものであると言えるでしょう。
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