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エストニアの公的医療保険における個人データの処理

5/10/2024

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エストニアにおける公的医療保険の適用の際の個人データ処理は、次のように整理できます。医療機関ごとの診察券は不要で、受付で個人識別コード等の入力作業が無いことがわかります。

(1)患者による予約の申し込み

医療サービスを提供してもらいたい患者は、電話やインターネット経由で予約をします。この際に、自分の氏名と個人識別コードを提供します。

(2)医療機関による予約の受付

患者からの予約を受付けた医療機関は、患者の個人識別コードを利用して、かかりつけ医の登録や紹介状の有無を確認した上で、予約を確定するかどうかを決定します。

(3)予約当日の医療機関での受付

予約した患者は医療機関の窓口で身分証明書(写真付き住民IDカード)を提示して本人であることを証明します。IDカード取得が義務ではない15歳未満の人は、身分証明書の代わりに欧州健康保険カード(写真もICチップも無し)や学生証(写真あり、ICチップ無し)などを提示します。

医療機関によってはオンライン受付も可能です。この場合は、IDカードの電子証明書やスマートフォン等のアプリで利用できるデジタルID(スマートID)を使って医療機関のウェブサイト経由で受付を済ませることができます。
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(4)医療機関での診察等

医師は、患者の個人識別コードを利用して、患者の基本データ(アレルギーの有無等)や過去の治療・検査データ等を参照しながら、患者に最適の医療サービスを提供します。患者の医療データの利用は法令で定められているので、個々の患者の同意は不要です(オプトアウトは可能)。

エストニアの医師や看護師は、患者の過去の医療データ(生体情報等)を確認できるので、他人による成りすまし受診等は、医療従事者の協力が無い限り極めて困難です。医療機関における患者の本人確認の目的は、窓口で治療が必要な人を振るい落とすことではなく、患者の取り間違い等による事故が起きないように確実に患者を特定して、より適切で安全な医療サービスを提供することです。

エストニアでは、家庭医向けの臨床意思決定支援システムを導入して、医師による診察をコンピュータが支援しています。臨床意思決定支援システムは、対象患者の過去5年間の診断、投薬、検査、血圧測定値、ライフスタイル指標などのデータを収集・分析して、推奨される検査・治療法・処方量等を自動的に表示します。※AIによる医療診断ではありません。

​処方箋(原則デジタルのみ)を発行する際は、現在処方している他の医薬品等の相互作用を確認して、薬の量や種類を調整します。

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(5)医療保険金請求書(レセプト)の作成

医師が行った診療や処方の内容に基づいて、自動的に請求書が作成されます。請求書を作成する時に、医療機関の情報システムがXロード経由で「患者の最新の被保険者資格に関する情報」を参照します。被保険者資格の内容によって、医療機関が保険者や患者に請求する金額が変わってくるからです。

なお、エストニアでは、かかりつけ医による診療や処方箋の発行など、基本的な初期医療は無料となっており、患者の自己負担はありません。

被保険者資格情報へのアクセスは医療サービス提供者(医師、歯科医師、看護師、助産師、薬剤師)に限定されているので、一般の事務職員は閲覧することができません。請求書の作成は、医療サービス提供者の仕事です。

​​(6)医療保険金請求書(レセプト)の処理・支払い

エストニアでは、保険金請求の処理は医療機関への支払いまで全て自動化されているので、人間による審査等は行われません。返戻の処理も自動化されているので人的な負担はありません。

​すべての医療サービス提供者には、同じサービスに対して同額が支払われており、指導状況などの病院の特性による調整は行われません。

請求書のデータには患者の個人識別コードだけでなく請求書を作成した医師や薬剤師等の個人識別コードや資格登録コードも含まれています。
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